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米大統領、共産主義に“宣戦布告”、急進左派が民主党で伸長 - 世界日報DIGITAL

トランプ米大統領が共産主義に“宣戦布告”している。野党民主党内で共産主義的な主張を掲げる急進左派勢力が伸長し、国家を根幹から揺るがす脅威と捉えているためだ。トランプ政権は極左テロ対策で各国に共闘を呼び掛けており、日本も「反共路線」で歩調を合わせられるかが問われている。(早川俊行) 「共産主義はまるでがんだ。速やかに切り取らなければならない」 建国250年の節目を迎えた7月4日の独立記念日。首都ワシントンの野外で行った記念演説で、トランプ氏は共産主義を「がん」と呼び、「米国は決して共産主義国家にはならない」と宣言した。 共産主義を非難するトランプ氏の発言が急激に増えたのは6月下旬以降。堰(せき)を切ったように演説や記者会見、SNSなどさまざまな場面で激しい共産主義批判を繰り返しており、冷戦を勝利に導いたレーガン元大統領と肩を並べる「反共大統領」となっている。 トランプ氏が猛烈な反共主義者に“覚醒”した理由は何か。共産主義が米国を蝕(むしば)む「内なる脅威」として顕在化してきたことがある。 旋風起こす左翼団体「DSA」 革命目指す過激政策前面に ■広がる「容共」風潮 冷戦時代はソ連を中心とする国際共産主義に対抗する反共路線が党派を超えて共有されていた。だが、今の民主党では急進左派が台頭し、容共の風潮が広がりつつある。加えて、社会・文化的にも共産主義を起源とする左翼イデオロギーが蔓延(まんえん)し、混乱をもたらしている。 トランプ氏は6月25日に、以下のメッセージをSNSに書き込んだ。意味深長な内容だが、民主党内で影響力を強める共産主義勢力への事実上の宣戦布告と言っていいだろう。 「共産主義者たちがついに動きだした。私は長い間、この時を待ち、準備を進めてきた。共産主義者になるのは簡単だ。『すべてをあなたに与える』と口にするだけでいい。しかし、それは自らの努力で勝ち取った他の人々から奪うことを意味する。数千年間、そのイデオロギーが成功したことは一度もない。勝負は始まった。ぜひ見物を楽しんでほしい!」 急進左派の伸長を強く印象付けたのは、11月の中間選挙に向けた民主党予備選で相次いで勝利していることだ。ニューヨークでは6月、急進左派のゾーラン・マムダニ市長が推す下院議員3候補がいずれも勝利。コロラド州やペンシルベニア州でも急進左派の下院議員候補が勝利した。 これらの候補は11月の本選でも当選する可能性が高い。バーニー・サンダース上院議員(無所属)やアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員を代表格とする連邦議会の急進左派勢力は中間選挙後、影響力を大幅に拡大させることが予想される。 ■左傾化する若者 まさに急進左派旋風と呼んでいい状況だが、その背後にはある左翼団体の存在がある。それは「アメリカ民主社会主義者(DSA)」という全米最大の社会主義組織だ。マムダニ市長やオカシオコルテス氏をはじめ、上述の民主党予備選で勝利した急進左派候補は皆、DSAのメンバーである。 DSAは冷戦時代の1982年に二つの団体が合流して設立された旧世代の左翼組織だったが、トランプ氏が当選した2016年大統領選の前後から会員が急増。6000人程度だった会員数は、今年7月時点で12万人を突破し、全米50州に支部を持つ勢力となった。 新たな会員の多くが、2000年以降に社会人になった「ミレニアル世代」以下の若者たちだ。彼らは社会主義・共産主義への警戒感が薄く、むしろ雇用や医療保険制度など将来への不安から急進左派の主張が魅力的に映っている。急進左派の躍進は、劇的に若返りしたDSAの組織力・動員力がもたらしている構図である。 マムダニ氏ら急進左派は「民主社会主義者」と自称し、ソフトなイメージを押し出している。大手メディアは「社会主義は共産主義ではない」(CNNテレビ)などと彼らの主張を額面通り受け止めているが、トランプ氏は「彼らは民主社会主義者ではない。筋金入りの共産主義者だ」と強く反論、本質を見誤ってはならないと警戒を呼び掛けている。 日本に求められる「反共」共闘 ■世界的な「思想戦」 これについてはトランプ氏が正しい。DSAが6月に改定した綱領は国家解体を狙う過激な政策がずらりと並び、革命組織の本性を露骨に表しているからだ。 例えば、綱領は上院を廃止して下院を拡大する一方、大統領と最高裁を議会に従属する機関に置き換えることを提唱。三権分立の枠組みを解体し、急進左派が勢力を広げる下院に権力を集中させる構想である。 また、①最大手企業や基幹産業の公有化②警察や刑務所を最終的に廃止③すべての不法移民を恩赦④米軍予算の停止⑤エルサレムをパレスチナの首都と認め、イスラエルへの軍事・経済支援を停止――など、民主党でもとても受け入れられない極端な政策ばかりだ。二大政党の一角がこのような過激な勢力に主導権を奪われそうな状況は深刻な脅威である。 トランプ政権は共産主義との戦いを巡り、国際的な共闘を呼び掛けている。国務省は先月16日、極左組織による政治テロを取り締まる閣僚級会合をワシントンで開催し、60カ国以上が参加。日本からも実務担当者が出席した。 会合で演説したルビオ国務長官は、極左テロの根底にある共産主義を非人間的な危険思想であると強調した。 「共産主義が描く世界とは狭く、均一、灰色であり、人間の魂にある善や高貴さがすべて奪い去られた世界だ。共産主義が描く世界とは、勇気もない、創造性も熱望もない、英雄も栄光も目指すべき崇高な大義もない世界だ。共産主義が描く世界とは、神のいない世界だ」 トランプ政権による国際共闘の枠組みは極左テロ対策だが、根幹にあるのは共産主義そのものに打ち勝つという「思想戦」に他ならない。日本も形を変えて社会に浸透する共産主義を排除する好機と受け止め、歩調を合わせていくことが求められる。

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